こんにちは、バナピンです!
いきなりですが、皆さんは攻めの投資をしたいとお考えですか??
投資の世界では、基本的に リスク と リターン が比例します。
今回ご紹介するのは、株投資の中では ハイリスク・ハイリターン の部類に入る ”フィリピン株” 投資です。
新興国の一つである フィリピン は、様々なデータから見て 今後の大きな成長 が期待できる国であり、近年各国から投資対象として注目を集めています。
この記事では、
- フィリピンってどんな国?
- フィリピン株の魅力
- フィリピン株の懸念点
についてご紹介したいと思います。
フィリピン株投資 に興味のある方は、是非最後までご覧ください!
フィリピンってどんな国?
皆さんは フィリピン と聞いて、どのようなイメージを浮かべますか?
一番身近なものでいえば、スーパーで必ず見かけるバナナが有名ですね!
海外旅行が好きな方は、セブ島なども有名な観光地としてご存じだと思います。
しかし、どれくらいの大きさの国で、どれくらいの人口で、どれくらいの経済規模で、どのような産業が盛んか、を詳しく知っている人は少ないと思います。
そもそも、市場が整備されていて、不動産や株式などの投資対象として機能していることを知らず、アジアの発展途上国の一つとしてしか考えていない方も多いと思います。
フィリピンへの投資を勧める前に、まずは投資する国がどのような国かを少しでも知っていた方が良いので、簡単にご紹介したいと思います!
フィリピンの概要
対日本比 | ||
人口 | 1億1,046万1,000人 | 87.6% |
面積 | 29万8,170㎢ | 78.8% |
名目GDP (国内総生産) | 3,857億米ドル | 7.55% |
GDP成長率 | 3.2%(2021年実績) 6.3%(2022年予測) | 136% 197% |
経常収支 | 15億ドル | |
通貨 | ペソ | |
為替レート | 1ペソ=2.34円(2022.3.26) | |
宗教 | カトリック(82.9%)その他(17.1%) | |
言語 | フィリピノ語、英語 | |
観光客数 | 826万人 | 29.5% |
フィリピンの特徴
人口や面積と言った国自体の規模は日本と似ていて、周りを海で囲まれ多くの島を持つ 島国 であるという点もよく似ています。
現在の経済規模は日本の10分の1以下と小規模ですが、GDP成長率は日本の約1.5~2.0倍と驚異的な速度で成長を遂げています。
フィリピンはスペイン・アメリカに植民地として支配されていた歴史があります。
そのため、宗教はほとんどがカトリックであり、英語が公用語の一つとして使われています。
新型コロナウイルス感染拡大前の2019年では、フィリピンの海外からの観光客数が過去最大の826万人を記録していて、観光地としても人気を集めています。
フィリピンの主な産業
上のグラフは2020年のフィリピンにおける産業別GDPです。
農林水産業 では、バナナやタバコ、砂糖と言った農産物を生産し、海外への輸出も積極的に行っています。
製造業 では、豊富に産出される鉱物の加工や国内での自動車の普及に伴う自動車工場などが主です。
自動車産業 では、一人当たりGDPの成長に伴い自動車を所有する国民が増えたことにより、TOYOTAをはじめとする海外自動車メーカーが積極的に参入しています。
鉱業 では、金、銀、銅やニッケルなどの鉱物を産出していて、鉱業では世界で最も豊かな資源国の一つとされています。
その他 では、近年勢いを増していてアメリカなどの英語圏からサービスセンターやシステム開発などの業務を委託される BPO=ビジネス・プロセス・アウトソーシング がフィリピンの産業を支えています。
フィリピン証券取引所
公式HP | フィリピン証券取引所 — PSE |
現地立会日 | 月曜日~金曜日(祝祭日を除く) |
取引時間 | 前場 9:30~12:00 後場 13:30~15:30 |
売買単位 | 株価により異なる |
売買通貨 | ペソ |
値幅制限 | 前日終値±50% |
営業日、営業時間などは日本の株式市場とあまり変わりありません。
売買単位はその銘柄の株価に応じて最低取引数と売買単位が異なりますが、比較的少額から購入できるので日本よりも投資をしやすい環境だと言えます。
フィリピン株の魅力
フィリピンについてなんとなく分かった所で、本題の フィリピン株 の魅力についてご紹介します!
フィリピン株は様々な所に魅力があり、私が考える魅力は下記の4つです。
- 人口ボーナスが豊富
- 優秀で安価な人材が豊富
- GDP(国内総生産)が急成長している
- 株式市場の規模が小さい
順を追ってご紹介します!
1.人口ボーナスが豊富
フィリピンは現在 人口ボーナス期 真っ只中です。
人口ボーナス とは、労働力の中心である生産年齢人口(15~64歳)が増加し、従属人口(14歳以下と65歳以上)が低下し経済成長を促すことを指します。
人口ボーナス期では、豊富な労働力を背景に個人消費が活発になり、高齢者が少ないことで社会保障費が抑えられ経済が拡大しやすくなります。
これはフィリピンの人口ピラミッド(2020年)です。
富士山型と呼ばれる形をしていて、 生産年齢人口 + 従属人口の14歳以下 がとても多く、今後も人口ボーナス期が続くことが容易に想像できます。
これだけ人口が増える理由の一つに 出生率の高さ があり、フィリピンは国民の約8割がカトリックで、人口中絶や避妊が法律で禁止されているため必然的に出生率が高くなります。
これだけ出生率が高いため、ジェトロ(日本貿易振興機構)では、このフィリピンの人口ボーナス期が2062年まで続くと予想しています。
一般的には、人口増加に伴い経済も成長していくとされています。
2062年まで人口ボーナス期が続けば、2062年までは経済が成長していく可能性が高いです。
2.優秀で安価な人材が豊富
フィリピンは第二の公用語として英語が話されています。
英語が話せることで、国際的な経済活動を行う上での壁がなくなります。
この優れた英語力を生かしてフィリピンでは BPO が盛んで、フィリピンのGDPを大きく支えています。
BPOとはBusiness Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の略で、コールセンターやシステム開発など一部の業務を委託することです。
米国や欧州など英語圏からの委託が多く、その理由は 英語が話せる・人件費が安い・時差が丁度良い からです。
特に時差については条件が良く、米国との時差が丁度12時間で、米国が夜の時にフィリピンが昼のため24時間体制で業務を稼働することが可能で、有限の時間を有効活用できる最高の手段です。
フィリピンGDPの約1割がBPOによるもの、今後さらに拡大していくと予想されています。
また、高い英語力を生かして英語圏へ出稼ぎに行く OFW も注目すべきポイントです。
OFWとはOverseas Filipino Worker(海外フィリピン人労働者)の略で、海外へ出稼ぎに行くフィリピン人労働者そのままを指します。
先進国では、急速な業務拡大に対して少子高齢化が進み人材不足に悩まされています。
その人材不足を補うために、英語が話せて安価なフィリピン人が活躍しています。
そして、出稼ぎ労働者のほとんどは家計を支えていて、フィリピン国内に送金されています。
フィリピンGDPの約1割が海外からの仕送りによるものです。
3.GDP(国内総生産)が急成長している
様々な記事で紹介している GDP(国内総生産) は、経済が成長すると必然的に伸びる為、国の経済規模を測る のに一番簡単で分かりやすい数値と言えます。
また、GDPは国全体の経済規模を測るのに用いられますが、首都圏など一部の地域でのみ急速に成長している場合があります。(特に発展途上国に多い)
そのため、国民の平均的な生活水準を測るためにGDPを人口で割った 1人当たりGDP を用いることでより詳細にその国の経済を測ることが可能です。
フィリピンと日本の一人当たりGDPの推移を比較してみます。
ここでは数字そのものではなく、その推移について焦点を当てています。
日本は1990年代を最後に大きな成長はしておらず、横ばい状態と言えます。
しかしフィリピンはまさしく今急成長の真っ只中であることが分かります。
そしてフィリピンの1人当たりGDPは3,000ドルを超えた所(2021年現在)です。
一般的に1人当たりGDPが3,000ドルを超えると、国民の消費活動が活発になり経済成長に拍車がかかる と言われています。
以上を踏まえると、フィリピンの経済がこれからも 急激に成長していくこと が予想できます。
実際にそれを裏付けるデータもあります。
IMF(国際通貨基金)発表のデータでは、2022年以降も 毎年6%以上 の成長をすると予想しています。
あくまで予想ですが、私はこのグラフ通りの成長を遂げる可能性は十分高いと考えています。
ちなみにですが、同じくIMFの日本の成長予測は限りなく低く、既に成長が衰えていると予測されています。
4.株式市場の規模が小さい
株式市場の規模は、 市場全体の時価総額 を見ることで分かります。
また、売買がどのくらい行われているかは 出来高 を見ることで分かります。
市場の時価総額
企業の時価総額は 発行済み株式数 × 株価 で求めることができます。
そして、上場しているすべての企業の時価総額を合計したものが市場全体の時価総額になります。
これは その国の株式にどれくらいの資金が投資されているか を客観的に見れる数字です。
東証1部の時価総額は約700兆円(2022年3月末時点)です。
それに対し、フィリピン証券取引所の時価総額は約30兆円(2022年3月末時点)で、日本の24分の1の規模しかありません。
そもそもの経済規模が小さいことは勿論ですが、それ以外にもいくつか理由が考えられます。
- 国民の市場参加率が低い
- 空売りが出来ない
- 機関投資家の参入率が低い
所得が低いことや投資に対する意識が低いことを理由に、フィリピン国民の市場参加率は1%前後と言われています。
また、フィリピン証券取引所では株式を売りから入る 空売り が出来ません。
そのため株価が上昇した時しか利益が得られないため、成果にシビアで売りでも買いでも利益を狙いたい機関投資家からは、利益の可能性が半分になってしまうため投資対象になりにくくなります。
無論、機関投資が参入しない理由は空売りが出来ないからだけでなく、フィリピンの株式が投資の対象にならないことも大きな理由の一つです。
しかし 空売りが出来ない ことは、株価を操作しようとする大口の機関投資家がいないことや、空売りによる下落リスクが低いこと等から、大多数の個人投資家には大きなメリットになります。
今後フィリピンの経済が成長し、今の日本と同じ規模まで発展すれば必然的に市場規模が20倍になると考えるのが普通で、そうなれば株価も20倍に成長することが大いに期待できます。
出来高
出来高 とは、ある一定期間に売買された株式の合計金額を意味します。
この 出来高 は、市場の流動性を判断する上で重要な数字であり、また株価の先行指標とも言われており、市場の活性度を測るバロメーターに用いられています。
東証1部の1日当たりの出来高は約3兆円(2022年3月現在)です。
それに対して、フィリピン証券取引所の1日当たりの出来高は約90億円と日本の400分の1とかなり少ないことが分かります。
空売りが出来ないことや、機関投資家の参入率が低いことを踏まえても出来高は低いです。
今後フィリピン株が注目を集めて、多数の投資家が市場に参加するようになれば、出来高が増えて市場が活発になっていくことに期待が出来ます。
フィリピン株の懸念点
ここまで フィリピン株の魅力 についてご紹介してきましたが、当然 懸念することが無い 訳ではありません・・・
情報が少ないことはフィリピン株投資が流行らない理由の1つでもありますので、フィリピン株投資を始めるにあたって懸念事項もしっかりと把握しておく必要があります!
すべてを記事には出来ませんが、主な懸念点は以下の通りです。
- リスクが高い
- フィリピン株に関する情報が少ない
- 市場の流動性が低い
順を追って解説していきます。
1.リスクが高い
投資にはリスクが必ず存在しますので、フィリピン株に限ったことではありません。
しかし、フィリピンは先進国と比べると 政治的・経済的・軍事的 リスクが高いです。
政治的・軍事的
フィリピンの政治事情は、その時の大統領によって大きく左右されます。
現在のドゥテルテ大統領(2022年3月末時点)は、インフラ投資を推進するなど経済活動の活発化に積極的ですが、警察と国軍の権力を強める「無法状態宣言」を全土に発令したり、米国大統領に暴言を吐き米比首脳会談が初めて中止になるなど暴走気味になる一面をあります。
別の大統領時代には、警察組織との癒着や汚職が横行するなど先進国ではあまり考えられない状態が未だに残っています。
独裁政権になる可能性があり、仮に独裁政権になってしまうと国軍の力が本来の目的とは別の形で使われてしまい、内戦などが勃発する可能性も否めません。
内戦を含め戦争が起こる可能性があるということは、投資をする上ではマイナス要素となります。
少しずつ改善されてはいますが、やはり先進国よりは懸念すべきである状況には変わりありません。
経済的
政治的なリスクとも関係がありますが、国の政策が経済成長を支えているといっても過言ではありません。
現在フィリピンでは、”ビルド・ビルド・ビルド”という大規模なインフラ開発や、外国からの投資制限を緩和するなど経済成長を促進する政策を積極的に打ち出しています。
今後も同じような状況が続くことが予想されていますが、大統領が変わるなどして政策が打ち切られる可能性も否定できません。
このまま順調に経済が成長できるかは、政治に大きく関係し、投資をする上でも重要なポイントの1つです。
2.フィリピン株に関する情報が少ない
文字通りフィリピン株に関する情報はとても少ないです。
日本国内の証券会社でフィリピン株を扱い、フィリピン株の情報を提供している証券会社はアイザワ証券 の1社のみです(2022年3月末時点)
しかも、アイザワ証券についてもフィリピン証券取引所に上場している全ての銘柄を扱っている訳ではありませんので、得られる情報は限られてしまいます。
フィリピン株に関する記事も、米国株などに比べるとはるかに少ないです。
日本語の書籍もあまり出版されていません。
このように日本語で取得できるフィリピン株の情報が少ないため、投資判断に時間がかかる・投資判断が難しくなる・情報が間違っている などの可能性を考慮しなければなりません。
しかし、フィリピン現地のWEBサイトでは英語ですが情報が沢山ありますので、英語が読める方は勿論英語が読めない方でもブラウザの翻訳機能を活用すればある程度の情報は収集できます。
3.市場の流動性が低い
先ほどフィリピン株の魅力で出来高の少なさを取り上げました。
しかし出来高が少ないことは魅力ばかりではなく、 出来高が少ない=流動性が低い ということになり、 希望の価格で売買が出来ない可能性 や、銘柄によっては そもそも取引が成立しない可能性 も十分に考えられます。
株式は売買が成立しなければ価値が生まれませんので、投資をする上では事前に出来高を調べるなど注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
新興国に注目が集まり既に数年経過しているので、今更新興国かぁ・・・と感じる方も多いと思います。
しかし、投資をする上での判断材料はデータが重要になると私は考えていて、実際にデータだけ見れば魅力的な投資対象です。
様々な面からみてもフィリピン株は大きく成長する可能性が高い魅力的な投資対象であることに共感していただけたでしょうか?
是非皆さんもフィリピン株投資を始めてみてはいかがでしょうか!?
無論投資に絶対はありませんので、この記事のような成長を必ずするとは限りませんので投資をする際はご自身で十分に検討してからお願いします。
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