こんにちは、バナピンです。
今回はフィリピン株に投資できる投資信託を4つ紹介したいと思います。
以前こちらの記事で個別株と投資信託の特徴について書きました。
フィリピン株への投資は、個別株をおススメします!
しかし・・・!
個別株はハードルが高いけど、フィリピン株に投資したい!
そう思う方も少なくないと思います。
そんな方には、フィリピン株に特化した投資信託に投資をすることをおススメします。
投資信託のメリット・デメリット
まずは、投資信託のメリット・デメリットを理解しておく必要があります。
投資信託は投資のプロ(ファンドマネージャー)が運用しますが、
プロが運用するから何も考えずに投資をしよう!というのは良くありません。
詳しく調べなくても、大まかなメリット・デメリットは把握しておきましょう!
メリット
- 小額から投資できる
- リスクが低い
- 放置できる
- 新NISAに対応している
少額から投資できる
投資信託は100円から投資することが出来ます。
これは投資信託の最大のメリットと言っても過言ではありません。
なぜなら、フィリピン株に限らず個別株に投資をする場合は
最低投資額が決められています。
フィリピン株の場合、日本と比べれば少ない金額で個別株に投資できます。
しかし、初めての海外投資で大きな金額は・・・
と抵抗がある方も多いと思います。
投資信託なら少ない資金でも運用の幅が広がります。
リスクが低い
主に下記の2つの理由でリスクが低いと言えます。
- 投資のプロが運用している
- 自動的に分散投資になる
投資のプロ=機関投資家が運用しています。
豊富な知識とノウハウで銘柄選定や売買を行います。
プロが運用するからと言って、必ず利益が得られる訳ではありません。
しかし、大きな損失を生む可能性は比較的低いと言って良いでしょう。
また、投資信託は必ず複数の銘柄で構成されています。
1つの投資信託に投資することで、複数の銘柄に投資することになります。
つまり、自然とリスクを分散することが出来ます。
放置できる
投資と聞くと、毎日株価を確認したり決算情報を分析したりと
やることが多く、難しいイメージがあるかもしれません。
しかし運用は投資のプロが行っています。
そのため一度投資すれば、
基本は解約するまで放置しておくだけで大丈夫です。
新NISA口座に対応している
投資に関心を持っているということは、
新NISA口座を開設している方が多いと思います。
年間最大360万円までの投資が非課税になる、お得な制度ですが
残念ながらフィリピンの個別株ではその恩恵を受けることが難しいです。
しかし、投資信託であれば新NISA口座に対応しています。
NISAの恩恵を受けながら、フィリピン株に投資をすることが可能なのです。
証券会社によっては、個別株でも新NISA口座で投資をすることが可能です。
しかし、かなり限定的なためおススメはしません。
デメリット
- 手数料が高い
- リターンが少ない
- 自由度が無い
手数料が高い
投資信託は手数料を支払うことで、運用を任せる仕組みです。
運用を任せられる反面、
運用結果に関係なく毎年、手数料=信託報酬を支払う必要があります。
高くても数%ですが、10年・20年・30年と
長期間で考えると手数料も侮れません。
特にフィリピン株に特化した投資信託は、手数料が比較的高めに設定されています。
手数料をしっかり把握しておく必要があります。
リターンが少ない
メリットでありデメリットでもありますが、投資信託は分散投資を行っています。
そのため、【リスク=値下がり】を分散できる反面、
【リターン=値上がり】も分散されています。
株価が10倍になるいわゆるテンバガーなどの、
一攫千金のように大幅な利益を得ることはほとんどありません。
投資信託は長期間保有し、少しずつの利益を積み重ねていくことが目標です。
一般的には年間5~6%のリターンがあれば
優秀な投資であると言われます。
それだけ投資で利益を得るのは難しいものです。
個別株投資でも、
投資信託よりも利益を得られない場合も多くあります。
自由度が低い
投資信託の場合、運用は全て信託会社が一括して行います。
そのため、自分の意志で
銘柄を選定・組成割合の変更等は出来ません。
投資したい銘柄がある場合は、その銘柄を組入している投資信託を
選べば希望は叶います。
しかし、途中で組入から外されてしまう可能性もあります。
投資信託に投資する前に、メリット・デメリットを確認!
フィリピン株に特化した投資信託4選!
今回ここで紹介する投資信託は、フィリピン株で構成されているものです。
他にも新興国全般に投資しているものもありますが、
それについてはまたの機会に紹介できたらと思ってます。
フィリピン株に特化した投資信託5選は以下の通りです。
- フィリピン株ファンド
- ノムラ・アジア・フィリピンフォーカス
- イーストS・フィリピン株式オープン
フィリピン株式オープン- フィリピン株式ファンド
※【フィリピン株式オープン】は2022/08/22に満期償還し、終了しています。
1つずつ詳しく見ていきます!
フィリピン株ファンド
運営会社 | 販売会社 | 信託報酬 | 設定日 |
キャピタル アセットマネジメント | SBI証券 楽天証券 auカブコム証券など 計12社 | 1.606% | 2010/5/28 |
運営しているのはベトナム・フィリピン・ASEAN諸国などの新興国市場・企業の株式への投資を専門とするキャピタル アセットマネジメントです。
フィリピン証券取引所に上場している株式のほか、世界各国に上場しているフィリピン関連企業の株式に投資して中長期的な成長を目指して運用されています。
主要な組み入れ銘柄
フィリピンを代表する大企業のアヤラや、大手通信会社のグローブ・テレコムなどフィリピン経済を支えている企業への投資が目立ちます。
運用実績
交付目論見書(2022年6月15日時点)で公表されている運用実績は下記の通りです。
6ヶ月 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
騰落率 | 11.34% | 13.86% | 23.25% | 3.75% | 19.17% |
開始当初から投資をしていた場合2倍以上に資産が増えています。(分配金再投資の場合)
しかし設定後数年間は大きくプラスになっていますが、ここ数年はイマイチな成績が続いています。
特に20年ぶりの税制改正が行われ、急速なインフレで消費が大幅に落ち込んだ2018年と、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けた2020年は大きなマイナスを記録しています。
ですが、アフターコロナで経済活動が再開したことで回復の兆しがあります。
長期的な目線で考えると、まだまだこれから成長すると考えられます。
- 設定来では2倍以上の成績
- ここ数年はイマイチ
- 長期的な目線で考える
ノムラ・アジア・フィリピン・フォーカス
運営会社 | 販売会社 | 信託報酬 | 設定日 |
野村アセットマネジメント | 野村證券 | 1.815% | 2010/12/6 |
運営しているのは日本ではお馴染み、野村ホールディングスの傘下で資産運用を専門に扱う野村アセットマネジメントです。
フィリピン株式に、野村フィリピン株マザーファンドを通じて投資を行っています。
主要な組み入れ銘柄
こちらもフィリピン経済を支える主要企業への投資がメインです。
新興国のフィリピンですが、その中でも比較的安定している企業へ投資しています。
運用実績
交付目論見書(2022年6月15日時点)で公表されている運用実績は下記の通りです。
6ヶ月 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
騰落率 | 13.66% | 14.75% | 35.20% | 10.62% | 39.61% |
フィリピンの主要企業に投資しているため、運用実績はフィリピン株ファンドと似たような成績になっています。
2018年と2020年は大幅なマイナスを記録しています。
ここ数年の成績がイマイチなのも、フィリピン株ファンドと同様です。
配当金は毎年しっかり出ていますが、手数料が高めに設定されているため設定来では若干フィリピン株ファンドの方が良い成績を出しています。
手数料は見直されることがありますので一概に手数料で判断するのは良くないですが、同じような組み入れ銘柄であれば手数料が安いフィリピン株ファンドを選ぶ方が長期的にプラスが増える可能性が高くなると考えられます。
- 設定来では2倍以上の成績
- ここ数年はイマイチ
- 手数料が若干高めに設定されている
- 野村證券でしか買えない
イーストS・フィリピン株式オープン
運営会社 | 販売会社 | 信託報酬 | 設定日 |
イーストスプリング・ インベストメンツ | SBI証券 楽天証券 auカブコム証券など 計23社 | 1.875% | 2012/9/28 |
運営しているのは、イギリス・ロンドンに本社を置く生命保険・金融サービスのプルーデンシャル社の子会社で、日本の資産運用部門であるイーストスプリング・インベストメンツです。
グループでアジア15の国や地域で生命保険や資産運用を行っていて、アジアの株式運用に関する豊富な知識と経験を生かして運用しています。
主要な組み入れ銘柄
フィリピン経済を支える主要企業への投資は他のファンドと大差はありませんが、組み入れの比率に特徴があります。
一社への比率を下げて、幅広い企業へ均等に投資をしていることでリスクの分散を行っています。
運用実績
交付目論見書(2022年6月15日時点)で公表されている運用実績は下記の通りです。
6ヶ月 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
騰落率 | 11.59% | 13.20% | 23.19% | 8.51% | 20.41% |
ここまで紹介した2つのファンドよりも、設定来の成績が約1.5倍とやや低めです。
ここ数年の成績もイマイチですが、他のファンドよりも振れ幅が低くリスクの分散を行っていることが数字で分かります。
信託報酬も1.875%と高めに設定されていますが、2022年7月1日より1.775%へ引き下げられます。
純資産額が少ないため、フィリピン株関連の投資信託の中でもマイナーな分類に入ります。
リスク分散を重視し、慎重な運用を望む方以外はあえて選ぶ利点はあまりないように感じます。
- 比率を幅広く振り分け、リスク分散している
- 運用成績はやや低め
- 純資産額が少なめでマイナーな分類に入る
フィリピン株式ファンド
運営会社 | 販売会社 | 信託報酬 | 設定日 |
カレラ アセットマネジメント | SBI証券 楽天証券 安藤証券 | 1.53% | 2016/4/26 |
運営しているのは、愛知県名古屋市に本社を置く安藤証券の100%子会社で、資産運用を専門に扱うカレラアセットマネジメントです。
多彩で幅広い商品を扱い、グローバルな目線での投資を行っています。
主要な組み入れ銘柄
フィリピンの主要な企業への投資を行っています。
食品・飲料・タバコなど国民の生活に直接関わる産業への投資割合が高めに設定されていて、他のファンドにはない特徴的な組み入れです。
消費活動に必要な企業は、長期的に業績を伸ばす傾向にありますので、ファンドの成長が期待できます。
運用実績
交付目論見書(2022年6月15日時点)で公表されている運用実績は下記の通りです。
6ヶ月 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
騰落率 | 15.27% | 19.58% | 37.15% | 11.68% | – |
フィリピン株式オープンと同様、運用歴が浅いため評価しずらいファンドです。
消費活動に密接に関わる銘柄の影響か、毎年の成績の振れ幅が大きくなっています。
信託報酬が低めに設定されていますので、これから長期的な保有を検討している場合はおススメできるファンドです。
- 運用歴が浅く、評価しずらい
- 信託報酬が安めに設定されている
- 国民の消費活動に対する比率が高め
まとめ
いかがでしたでしょうか?
フィリピン株そのものが投資対象としてマイナーですので、フィリピン株に特化した投資信託は数が限られてしまいます。
しかし、今回紹介した4つの投資信託は運用成績に大きな差は見られませんでした。
購入できる証券会社と、手数料=信託報酬を比べてご自身に合った投資信託を選べば良いと思います!
また繰り返しになりますが、フィリピン株への投資を投資信託で行うことを強く推奨するものではありません。
あくまで個別株へ投資を避けた代替手段としてお考え下さい。
フィリピン株への個別株投資に興味が出た方は、こちらの記事で詳しく触れていますので是非ご覧下さい。
コメント
ある書籍で知ったのですが、フィリピン株を買うとかなり安い株が株の登記上の手続きが面倒で買収めいたことを行われて株価が跳ね上がるという噂は本当ですか?それはどの証券会社でも起きるのでしょうか?その証券会社はここに載っていますがあえて記載しませんが、手数料がどうのと言われて開設できないのですが、フィリピン株を買うには他に現地の証券会社は存在しないのでしょうか?
コメントありがとうございます。
まず株価の買収めいたことによる跳ね上がりは、私は聞いたことがありません。
現在大手の企業を中心に投資をしておりますので、私が知らないだけの可能性もあります。
現地証券会社で日本国内から開設できるのはAB Capitalしか分かりません。
しかし、AB証券で手数料を理由に口座開設を断られたケースを聞いたことはないのですが・・・